本研究にて、マクロライド系抗生物質であるアジスロマイシンのオートファジー阻害における細胞内標的の1つを明らかとし、オートファジー阻害機構の1つを明らかとした。また、他のオートファジー阻害薬と比較し、どのステップでオートファジーが阻害されるのか詳細に示した。興味深いことに、HCQと異なり、がん幹細胞能力の維持・誘導に必要と言われているHIF-1aの発現を誘導しない阻害薬であることを示した。その他、マウスを用いた実験により、in vivoの系においても経口投与でオートファジー阻害効果を発揮し、抗腫瘍効果を示すことができ、将来における臨床応用への展開を示すことができたと考える。
|