研究実績の概要 |
本研究は、診断技術や治療 技術の向上にも関わらず治癒率の低い難治がんへの新規治療アプローチの開発を大目的とし、オミックス解析を展開、公共データベースに登録されている網羅的ゲノム・臨床情報を統合利用することにより、それらの予後予測因子、治療効果予測因子、および治療標的の同定を試みる。 今年度は、肺がん臨床検体・細胞株を対象とした次世代シーケンス解析等を行い、小細胞肺がんおよび肺扁平上皮がんにおける新規治療標的の同定、化学療法耐性機構の解明に寄与した(Sundaresan V, et al., Cancer Genetics, 216-217: 20-28, 2017, Otaka Y, et al., Clinical Cancer Research. 23(13):3442-3452, 2017, Bao P, et al., Ann Surg Oncol. 2017 Dec;24(13):4017-4024.)。40検体の肺腺がんRNA-seq解析および200例のデータベース解析より、高齢者がん症例に着目した新規治療標的候補を複数同定した。現在、細胞生物学的意義の検討を計画中である。 乳がん細胞株を対象としたRNA-seq/ shRNA-seq統合解析を行い、公共データベースに登録、1,900例の臨床検体の公共データベース解析を統合し、トリプルネガティブ乳がんにおける新規バイオマーカーを同定した(Handa T, et al., J Surg Oncol. In press, 2017)。臨床検体の全エクソーム解析により、乳腺腫瘍の進展に関わる遺伝子変異を同定した(Arai H, et al., Br J Haematol. in press, 2017)。
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