研究実績の概要 |
本研究は、診断技術や治療技術の向上にも関わらず治癒率の低い難治がんへの新規治療アプローチの開発を大目的とし、オミックス解析を展開、公共データベースに登録されている網羅的ゲノム・臨床情報を統合利用することにより、それらの予後予測因子、治療効果予測因子、および治療標的の同定を試みる。 申請者は、平成30年5月より、令和元年5月現在まで、産前産後休暇および育児休業により、研究を中断している。その間、昨年度までに施行した、乳がん細胞株を対象とした、次世代シーケンサーを用いたRNA-seq/ shRNA-seq統合解析、および、1,900例の臨床検体の公共データベース解析、正常組織におけるRNA-seq発現解析データベースを利用し、候補バイオマーカーの絞り込みを行なった。さらに、免疫組織学的染色解析を追加し、臨床情報との関連解析を行うことにより、トリプルネガティブ乳がんにおける新規バイオマーカーを同定、論文として発表した(Handa T, Katayama A, Yokobori T, Yamane A, Fujii T, Obayashi S, Kurozumi S, Kawabata-Iwakawa R, Gombodorj N, Nishiyama M, Asao T, Shirabe K, Kuwano H, Oyama T., Carboxypeptidase A4 accumulation is associated with an aggressive phenotype and poor prognosis in triple-negative breast cancer. Int J Oncol. 2019 Mar;54(3):833-844.)。また、新規に、ナノポアシーケンサーを用いた、がん細胞における網羅的新規転写産物解析の検討を行なった。
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