研究実績の概要 |
本研究は、診断技術や治療技術の向上にも関わらず治癒率の低い難治がんへの新規治療アプローチの開発を大目的とし、オミックス解析を展開、公共データベースに登録されている網羅的ゲノム・臨床情報を統合利用することにより、それらの予後予測因子、治療効果予測因子、および治療標的の同定を試みる。 本年度は、肺扁平上皮がん(LSCC)臨床検体144症例と2例の細胞株を対象とした免疫組織染色・次世代シーケンサーを用いたトランスクリプトーム解析により、STXBP4-TP63経路はLSCC症例の独立予後因子であり、LSCC細胞の抗がん剤感受性に重要な役割を果たすことが示し、筆頭著者として論文にまとめた (Bilguun EO*, Kaira K*, Kawabata-Iwakawa R*, Rokudai S, Shimizu K, Yokobori T, Oyama T, Shirabe K, Nishiyama M. Distinctive roles of syntaxin binding protein 4 and its action target, TP63, in lung squamous cell carcinoma: a theranostic study for the precision medicine. BMC Cancer. 2020 Sep;20(1):935. (*, co-first authors))。 さらに、これまでほどんど報告のなかった希少肺がん等についても、次世代シーケンサーを用いたRNA-seq, ターゲット変異解析を行い、論文準備中である。
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