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2018 年度 実績報告書

1 細胞プロテオミクスシステムの開発と鎌状赤血球症の治療標的候補の探索

研究課題

研究課題/領域番号 17K15042
研究機関熊本大学

研究代表者

増田 豪  熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 助教 (70383940)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードプロテオミクス / 高感度分析 / 1細胞オミクス
研究実績の概要

油中液滴法(Water-in-oil, WinO)が微量試料の回収率および同定数の改善に与える影響を評価するために、従来の前処理方法である溶液消化法と比較した(n = 3)。100細胞に相当する10 ngのタンパク質を処理した場合、WinOにおけるタンパク質の総シグナル強度は1.75倍に有意に増加し、同定数は1.72倍に有意に増加した。期待していた通りWinOで微量タンパク質を処理することで、溶液消化法と比較して試料の吸着損失が減り回収率が改善したと考えられる。一方で、WinOでは61.6%の試料を損失していた。そこで、WinOにおける試料回収率の向上を目的として、試料を損失している前処理工程を評価した結果、Trypsin消化までの工程で52.1%、消化後の工程で19.9%の試料を損失していた。まずTrypsin消化までの試料損失に着目し、その原因として試料の酢酸エチル層への移行および消化酵素活性の低下を考えた。タンパク質抽出液もしくは消化酵素溶液を酢酸エチルとの2液で分配したところ、酢酸エチル層からはタンパク質および消化酵素は検出されなかった。このことから、酢酸エチル層への試料の移行損失が原因ではないことが確認された。次に、タンパク質に対する消化酵素の添加量を20倍に増加させたところ、タンパク質の総シグナル強度が1.77倍に増加した。このことから、WinOでは消化酵素の活性低下により、産生されるペプチドの量が減少することが示唆された。酵素の添加量増加や酵素固定化ビーズによる消化方法を用いることでWinOの回収率が向上すると期待される。以上の結果から、WinOは溶液消化法よりも試料の回収率が高く消化効率をさらに上げることで、1細胞プロテオミクスの基盤技術になると考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 産業財産権 (1件)

  • [産業財産権] 質量分析用のペプチド試料の調製方法2018

    • 発明者名
      増田豪
    • 権利者名
      増田豪
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2018-139362

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公開日: 2019-12-27  

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