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2022 年度 実施状況報告書

ゲノム構造大域的遷移の数理的解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K15050
研究機関東京大学

研究代表者

菅原 武志  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (60713005)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2024-03-31
キーワード染色体構造 / 数理モデリング / クロマチン動態
研究実績の概要

研究代表者は、染色体構造のデータ駆動型数理モデリングに関して計算機シミュレーションプラットフォームを構築、シミュレーションを実行して多重ゲノム構造を数理的推定を行った。過去の共同研究で得られた実験データと比較し整合性を確認した。近年多くのHi-Cデータが公開されたため、他の細胞種データを用いた妥当性の検証と生物学的意味を考察した。これまで得られた結果に加えとさらに必要なデータを増やした。これまで使用していたタワー型ワークステーションだけでは計算リソースが足りなかったため、論文へのまとめ進捗を加速すべく追加で計算機を購入しデータ集積速度を上げてきた。
・ サンプリングした構造の標本集団から多重ゲノム構造を推定した。実際には、3D構造のクラスタリングによりデータ集団を類似構造に分類し、推定されたゲ ノム構造から有効自由エネルギー地形を構築した。 ・拘束条件の不足により構造エントロピーの制約が不十分であることが原因で起こる「構造を推定するアルゴリズムで計算が収束しない」問題を解決するために、正解に比較的近い初期値を探索することによりアルゴリズムを改善した。また「多重構造を概算する」理論的近似手法を考案し、数値結果と比較した。 ・ 研究期間中に報告された他の研究と比べ、手法のアドバンテージや欠点を再検証した。
・ 上記結果に加えて、さらに必要なデータをシミュレーションして集めた。結果をまとめ発表予定。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

データ駆動型モデリングから多重ゲノム構造を数理的に研究した。実験データ解析結果と比較した結果を昨年度中にまとめる予定であったが、諸問題により研究進捗が遅れ予定通り計画が進まなかった。昨年度から今年度中にかけて以下の作業を実施中(予定)である。
(1) 未受理の論文を修正し、より専門的な雑誌への投稿に変更。
(2) これまでの研究で、構造エントロピーの制約が不十分であることが原因で発生する「構造を推定するアルゴリズムで計算が収束しない」問題を解決すべく収束が速くなる初期値探索法により問題を回避した。また、使用計算機を追加し計算リソースを増やしてデータ集積速度を上げた。
(3) 論文投稿と学会発表。

今後の研究の推進方策

諸問題により研究進捗が遅れて予定通り計画が進まない問題が生じたが、技術的困難のほとんどは既に解決されている。今年度4月から独立ポジションになったため、本研究のエフォートをあげることが可能になった。論文と学会発表に焦点を合わせ時間を使う。具体的には今年度中に以下を進めていく。
(1) 未受理の論文を含めて準備中の原稿のアーカイブへの投稿を検討する。
(2) 改善された手法により得た結果をまとめる。短期間ですすめるべく研究エフォートを上げる。
(3) 今年度中に論文投稿と学会発表を予定。

次年度使用額が生じた理由

研究進捗に遅れが生じたため今年度まで延長した。発表資料や論文作成に必要なアプリケーション(主にadobe)の使用料のために、少額ではあるが残しておいた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Chemophoresis engine: A general mechanism of ATPase-driven cargo transport2022

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Sugawara, Kunihiko Kaneko
    • 雑誌名

      PLoS Computational Biology

      巻: 18 ページ: e1010324

    • DOI

      10.1371/journal.pcbi.1010324

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2023-12-25  

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