本研究では日本のカエルのMHCという免疫遺伝子に注目した。MHCは特定の抗原を認識するもので、適応免疫において重要な役割を果たしている。世界中のカエルにとって危険な「ツボカビ」という真菌症があるが、東アジアのカエルはツボカビに耐性がある。日本のカエル12種のcDNAライブラリをシーケンスし、特にMHC遺伝子配列について詳しく解析した。配列中のアミノ酸の特性等を考慮し対立遺伝子の物理化学特性を推定すると、すべての種で類似の特性を持つ対立遺伝子を共有していることが明らかになった。このことは、日本のカエルのMHC遺伝子の進化はツボカビのような共存する病原菌に対して形作られてきた可能性を示す。
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