昆虫の脂質輸送はリポホリンと呼ばれる蛋白質複合体によって担われている。リポホリンによる脂質輸送機構は、昆虫独自のシステムであり、脂質を輸送した後にリサイクルされるなどの特徴を持っている。本研究では昆虫のリポホリンの脂質輸送機構を解明するため、カイコのリポホリンの立体構造解析を行った。本研究で用いたリポホリンは、カイコ幼虫の体液から精製して調製した。精製したリポホリンを電子顕微鏡で観察したところ、均一な大きさの球形の粒子が観察された。さらにリポホリンと協力して脂質を輸送するLTPについても電子顕微鏡を用いて観察を行い、エビのようにくの字に折れ曲がった粒子であることが判明した。
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