透析アミロイドーシスの原因蛋白質であるβ2ミクログロブリンは、これまで構造が報告されているアミロイド線維に比べアミノ酸残基数も多く非常に不均一な線維であるため解析が困難であった。本研究では均質な線維試料の作製をおこない、構造解析に耐えうる良好なスペクトルを再現よく得られることを可能とし、アミロイド線維コア領域の8割以上の信号帰属を達成した。固体NMRの解析に加え、近年目まぐるしい発展を遂げているクライオ電子顕微鏡の測定もおこない、NMRと電子顕微鏡双方の利点を活用し構造モデルの構築をおこなった。さらに生体試料を用いた線維を作製し、より生体内に近いアミロイド線維構造の理解に近づきつつある。
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