インスリンは、骨格筋と脂肪組織への糖取込みを刺激し、血糖値を調節している。本研究では、脂肪細胞でのインスリン応答性糖取込みシグナル伝達系での低分子量GTP結合タンパク質Rac1の機能と調節機構を解明するため、脂肪培養細胞モデル3T3-L1とマウス脂肪細胞を用いた解析を行った。解析の結果、Rac1はタンパク質キナーゼAkt2の下流で、グアニンヌクレオチド交換因子FLJ00068を介して活性化されることを明らかにした。さらに、活性化されたRac1は、低分子量GTP結合タンパク質RalAの活性化を介して糖取込みを誘導することを示し、脂肪細胞でのRac1を介した新たな糖取込み機構を明らかにした。
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