研究課題
先行研究の結果を踏まえて、DPY19以外のC型糖修飾酵素が存在するか否かを検証する必要が生じたため、昨年度よりCRISPR/Cas9を用いたDPY19ファミリーのノックアウト細胞の樹立を試みていた。DPY19L1、DPY19L2、DPY19L3、DPY19L4のそれぞれについて、特異的なgRNAの設計を行いゲノム編集が出来ることが確認された。現在各遺伝子のノックアウト細胞の樹立を行っている。一方でC型糖修飾が起こらないことが報告されているショウジョウバエ由来S2細胞を用いた我々の解析結果から、特定のタンパク質においてはS2細胞中でもC型糖修飾が起こることが示唆された。そこでショウジョウバエの遺伝子をデータベースで確認したところ、dpy19遺伝子は存在していることが確認された。またS2細胞における遺伝子発現を確認したところ、dpy19遺伝子の発現が確認された。そこでS2細胞のdpy19をゲノム解析したところ、2ヶ所においてデータベースに登録された配列と異なる塩基が確認された。さらにその内の1ヶ所はアミノ酸変異を伴う変異であった。このことから、このアミノ酸変異がS2細胞においてdpy19が活性を持たない原因である可能性が示唆された。今後さらなる検証を行う。さらに、S2細胞中でC型糖修飾が確認されたタンパク質について、S2細胞でdpy19をノックアウトしたところ、そのC型糖修飾が減少することが確認された。以上の結果から、当初の目標としていた新規C型糖転移酵素は存在しない可能性が示唆された。
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