研究課題
若手研究(B)
近年、糖鎖による生体応答の制御機構や糖鎖構造の疾患特異的な変化が明らかにされつつあり、厳密な糖鎖発現制御の破綻と疾患との関連が注目されている。研究代表者らの予備的研究により、コンドロイチン硫酸(CS)の硫酸化酵素のノックアウトマウスが統合失調症様症状を示すことが明らかとなった。そこで本研究では、CSの硫酸化異常による統合失調症様症状発現の分子メカニズムの解明を目的とし、このノックアウトマウスの表現型の詳細な解析を行った。
糖鎖生物学
統合失調症は、複数の遺伝的要因、環境要因が組み合わさって発症すると考えられており、発症の分子機構が未だ不明であることから、対症療法的治療が行われている。根本的な治療法確立のため、症状をもたらす分子メカニズムの解明が強く求められている。本研究により明らかにしたコンドロイチン硫酸の硫酸化異常がもたらす表現型を今後さらに詳しく解析することは、統合失調症の分子メカニズムの解明につながると期待される。