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2020 年度 実績報告書

統計熱力学計算に基づくロドプシンの熱安定化アミノ酸置換体の創出

研究課題

研究課題/領域番号 17K15099
研究機関千葉大学

研究代表者

安田 賢司  千葉大学, 大学院理学研究院, 特任助教 (40792081)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードサーモフィリックロドプシン / 熱安定化 / 自由エネルギー関数 / 溶媒和エントロピー / 水素結合
研究実績の概要

極めて熱安定性の高いロドプシンであるサーモフィリックロドプシン(TR)(熱変性温度が92度)の熱安定化メカニズムの解明及びアミノ酸置換による更なる耐熱化に取り組んだ。昨年度までの研究で、申請者らが開発した膜タンパク質用の自由エネルギー関数を用いてTRの極めて高い耐熱性をもたらす物理因子を明らかにし、さらに、膜蛋白質耐熱化置換体の理論的予測手法であるEntropy-based method(EBM)を用いて、2置換で約8度(熱変性温度はおよそ100度)の耐熱化置換体の創出に成功した。これらのアミノ酸変異は膜内領域にあった。最終年度は、水溶性タンパク質の安定化変異体の予測プログラムであるFoldXにより発見した水中領域の安定化変異体を組み合わせることで、更なる耐熱化に取り組んだ。膜内領域・水中領域でのさまざまな組み合わせの多置換体を検討した結果、最終的に熱変性温度が13度も向上(熱変性温度が105度)した安定化4変異体の創出に成功した。この熱変性温度は示差走査熱量測定により厳密に決定した。さらに、この4置換体はプロトンポンプとしてのロドプシンの機能を保持していることも実験的に確認された。これまでに報告されている最も熱安定性の高いロドプシンはR. xylanophilus rhodopsinであり、その熱変性温度は101度であるため、本研究で創出した耐熱化TR置換体は世界最高の熱変性温度を有するロドプシンである。本研究で解明したTRの耐熱化メカニズムは他の多くの不安定な膜タンパク質の安定化への有力な指針を与えると考えられる。さらに、本研究で創出した極めて高い耐熱性を持つTR置換体は光センサーチップ等の材料への応用が期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] サーモフィリックロドプシンとキサントロドプシンの熱安定性の大きな違いに対する統計熱力学解析2021

    • 著者名/発表者名
      安田賢司、林智彦、村田 武士、木下正弘
    • 雑誌名

      アグリバイオ

      巻: 4 ページ: 61-66

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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