タンパク質の脂質修飾は、シグナル伝達因子の形質膜への局在化や活性の調節などの役割を担っている。一方、本修飾が引き起こすタンパク質の分泌に関する知見は数例が報告されているのみである。本研究により明らかにされた脂質修飾依存的な、新規エクソソーム分泌機構により、TGのみならず、エクソソーム分泌の研究分野が発展することが期待される。またTGは、肝疾患、癌、血栓形成、セリアック病などの原因にもなる。一部の疾患発症の際には、未知の機構でTGの分泌量が上昇しており、疾患発症の関係が指摘されている。また、エクソソームも炎症、癌の転移など様々な疾患に関わっているため、TG関連疾患の解明の一助となる可能性もある。
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