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2017 年度 実施状況報告書

O型糖鎖修飾能を強化するゴルジ体ストレス応答の転写制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 17K15122
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

佐々木 桂奈江  兵庫県立大学, 生命理学研究科, 学振特別研究員(PD) (80752427)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードストレス応答 / ゴルジ体 / 糖鎖修飾
研究実績の概要

ゴルジ体ストレス応答とは、ゴルジ体の処理能力を超える事態に対して、能力を増強することで恒常性を維持する、細胞の生命活動に必須の適応機構である。本研究では、ゴルジ体でO型糖鎖修飾されるプロテオグリカンに焦点を当て、O型糖鎖修飾の能力を増強させるストレス応答機構を解明することを目的とし、以下の実験を行った。
プロテオグリカンの糖鎖修飾阻害剤xylosideで処理したHeLa細胞のマイクロアレイ及び次世代シークエンサー解析を行ったところ、複数のプロテオグリカンO型糖鎖修飾酵素遺伝子 (CSGALNACT2, GLCE, HS6ST1, HS3ST1, NDST2, B3GAT3) の発現上昇がみられた。また、これらの遺伝子はプロテオグリカンのコアタンパク質の過剰発現によっても発現が上昇した。さらに、これらの遺伝子の発現は既知のゴルジ体ストレス応答経路(TFE3, HSP47, CREB3経路)非依存的に制御されることが判明した。
それぞれの遺伝子の転写開始点から上流1 kbp以内の領域をレポーターであるルシフェラーゼ遺伝子につなぎ、それらの欠損・置換変異コンストラクトを導入したHeLa細胞でルシフェラーゼアッセイを行い、プロモーターを解析した。その結果、GLCE, HS6ST1, NDST2, B3GAT3において転写制御に重要なエンハンサー配列を同定し、GCリッチな共通配列が含まれていたことから、この配列をproteoglycan stress response element (PGSE) とした。これらの結果から、ゴルジ体ストレス応答の新規転写制御配列を明らかにすることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究課題を遂行するために、一年目にゴルジ体ストレス応答遺伝子の転写制御配列及び転写因子の同定、二年目に転写因子の活性化機構など上流経路の解析を行い、ゴルジ体ストレス応答の新規経路の全容を明らかにする予定であった。 今年度は当初の予定通り、プロテオグリカンのO型糖鎖修飾能力を増強させるストレス応答の転写制御配列PGSEの同定に成功した。PGSEに結合する転写因子を同定するために、酵母one hybrid法を行ったが、現在までに有力な転写因子候補は得られていない。

今後の研究の推進方策

PGSEに結合する転写因子を同定するために、酵母one hybrid法に加えて、以下の方法も予定している。
ビオチン標識したPGSEと核抽出液を用いてゲルシフトアッセイを行い、結合因子の存在を確認後、プルダウンアッセイを行い、質量分析にて転写因子を同定する。
CRISPR-Cas9システムを用いたスクリーニングにより、ゴルジ体ストレス応答の制御因子を同定する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] プロテオグリカンの糖鎖修飾酵素遺伝子の転写を調節するゴルジ体ストレス応答経路の解析2017

    • 著者名/発表者名
      谷口麻衣、小森亮太、奥田知穂、田中隆也、中川幸大、濱田響、佐々木桂奈江、若林貞夫、吉田秀郎
    • 学会等名
      第69回日本細胞生物学会大会
  • [学会発表] ゴルジ体ストレス応答のプロテオグリカン経路による糖鎖修飾酵素遺伝子HS6ST1の転写誘導機構2017

    • 著者名/発表者名
      小森亮太、向井美穂、若林貞夫、佐々木桂奈江、谷口麻衣、吉田秀郎
    • 学会等名
      第40回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] ゴルジ体ストレス応答のプロテオグリカン経路によって転写が誘導される糖鎖修飾遺伝子GLCEのプロモーター解析2017

    • 著者名/発表者名
      奥田知穂、緑佐智子、山本真由、若林貞夫、小森亮太、向井美穂、若林貞夫、佐々木桂奈江、谷口麻衣、吉田秀郎
    • 学会等名
      第40回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] ゴルジ体ストレス応答プロテオグリカン経路の標的遺伝子CSGALNACT2の発現制御機構2017

    • 著者名/発表者名
      糸井雄基、中川幸大、西田真実、太田香織、若林貞夫、谷口麻衣、佐々木桂奈江、吉田秀郎
    • 学会等名
      第40回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] ゴルジ体ストレス応答プロテオグリカン経路によって転写が誘導される糖鎖修飾遺伝子NDST2の発現制御機構2017

    • 著者名/発表者名
      田中隆也、山本真由、緑佐智子、若林貞夫、佐々木桂奈江、谷口麻衣、吉田秀郎
    • 学会等名
      第40回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] ゴルジ体ストレス応答プロテオグリカン経路によって転写が誘導される糖鎖修飾遺伝子B3GAT3の転写制御機構の解析2017

    • 著者名/発表者名
      高木菜那、谷口麻衣、若林貞夫、佐々木桂奈江、吉田秀郎
    • 学会等名
      第40回日本分子生物学会年会

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公開日: 2018-12-17  

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