本研究により、軸糸タンパク質Cfap53は運動性繊毛を持つ細胞で発現し、繊毛のProximal側に局在する軸糸タンパク質であり、繊毛を駆動させる外腕ダイニンの構築には必須ではないが、ダイニンと軸糸を強く結合させるタンパク質であることが分かった。また、Cfap53による結合力が無いと、外腕ダイニンは繊毛駆動力を発生できないことが明らかになった。ここからCfap53欠失マウスの気管では、活性化したダイニンの発生する力が軸糸との結合力を上回るので一部のダイニンで解離が起きるという繊毛運動に関するモデルを構築した。
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