| 研究課題/領域番号 |
17K15125
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
杉村 薫 京都大学, 高等研究院, 特定拠点准教授 (50466033)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 力学 / 推定 / 機械物性 / 形態形成 / 細胞配置換え / モデル選択 / 数値計算 |
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| 研究実績の概要 |
上皮組織が正しい形態に成長するためには、細胞配置換えの方向や速度が精緻に制御される必要がある。細胞配置換えの速度は上皮組織により10倍も異なるにも関わらず、その制御機構はほとんど研究されてこなかった。本研究では、「力」と「変形」をつなぐ「機械物性」を調べることで、細胞配置換えの速度と方向を決定する分子・力学メカニズムを解明することを目指す。
これまで、細胞配置換えの速度や方向性が異なるショウジョウバエの翅上皮組織を対象として細胞機械物性を比較し 、実験データを取り込んだ数値計算を実施してきた。2018年度は、より定量的かつ包括的な細胞機械物性（構成式の形式とパラメータ）の推定手法を着想し、改良版の推定手法の実装と評価を実施した。我々はまず、数値データを用いた解析から推定手法の妥当性を確認した。次に、開発した手法を用いて、ショウジョウバエの上皮組織の比較解析を実施し、構成式の形式とパラメータを評価した。その結果、細胞接着面の張力の角度依存性および辺長依存性と細胞配置換えの向きと速度が相関することが分かった。以上の数理的なアプローチに加えて、細胞配置換えの速度と方向を決定する分子メカニズムの解析も進め、アクチン脱重合因子による細胞配置換え制御を論文として発表した (Ikawa and Sugimura. Nat. Commun., 2018)。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度に入って、より定量的かつ包括的な細胞機械物性の推定手法を着想したことで、推定手法の実装と評価からやり直し、改良版の推定手法でよい結果を得た。また、アクチン脱重合因子による細胞配置換え制御メカニズムを論文として発表した (Ikawa and Sugimura. Nat. Commun., 2018)。以上から、当初の計画から変更があったものの、研究プロジェクト全体としてはおおむね順調に進展している。
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| 今後の研究の推進方策 |
改良版の細胞機械物性推定手法の実装と評価、応用に関する研究成果を論文としてまとめて発表する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本研究では、細胞配置換えの速度や方向性が異なるショウジョウバエの翅上皮組織を対象として細胞機械物性を比較し 、実験データを取り込んだ数値計算を実施してきた。2018年度に入って、より定量的かつ包括的な細胞機械物性の推定手法を着想したことで、推定手法の実装と評価から研究をやり直す必要が生じたため。実際、改良版の推定手法でよい結果を得ており、延長期間に研究成果を論文にまとめて発表する。
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