申請者は、植物にユニークな膜交通制御因子としてPH15を同定し、本研究課題では、これの機能解明に取り組んだ。PH15と、PH15のホモログと考えられるPH16それぞれについて、T-DNA挿入変異体ラインを確立し、遺伝学的相互作用解析を行ったところ、PH15は液胞輸送に、PH16は液胞輸送とは拮抗する輸送経路においてはたらくと考えられる結果を得た。PH15とPH16は共に、分裂組織の静止中心細胞で主に発現し、細胞膜や、核周縁のドット状構造に局在した。PH15は、植物固有型RAB5とドット状やリング状のオルガネラ膜上で相互作用し、複数のホスフォイノシチド種との親和性を示した。
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