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2019 年度 実績報告書

ラマン散乱分光計測を援用した多細胞性シアノバクテリアの分化決定ダイナミクスの解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K15151
研究機関千葉大学

研究代表者

石原 潤一  千葉大学, 真菌医学研究センター, 特任助教 (40732409)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードラマン散乱分光 / ラマンスペクトル / シアノバクテリア / ヘテロシスト / 光合成色素
研究実績の概要

昨年度に開発したAnabaenaの微小培養デバイスを用いて、窒素飢餓状態で培養したときの各細胞のラマンスペクトルをタイムラプス計測した。研究代表者は、フィコシアニンやアロフィコシアニンのラマンバンド強度が、ヘテロシストで顕著に低下することを見出していた。今年度、フィコシアニンのラマンバンド強度は、栄養細胞がヘテロシストに分化する過程で肥大化するに伴い、細胞の体積に反比例しながら低下することを明らかにした。つまり、ラマンバンド強度を解析することで、分化の進行度合いを推定することが可能となる。
フィラメントの端の細胞から順々にラマンスぺクトルを計測すると、フィコシアニンのラマンバンドが顕著に低下した栄養細胞は、両側の最も近いヘテロシストからそれぞれ5細胞以上離れていることが分かった。さらに、このような細胞は、複数個が隣接して出現することも分かった。これらの細胞のラマンバンドをタイムラプス計測すると,必ずしもすべての細胞が分化するわけではないことも分かった。このような分化しなかった細胞は、分裂した後に再びフィコシアニンのラマンバンド強度が上昇した。つまり、フィコシアニンのラマンバンドが低下し始めても、隣接する他の細胞が先に分化することで、そのヘテロシストから窒素化合物が供給され、フィコシアニンのラマンバンド強度が上昇すると予測された。先行研究より、ヘテロシスト分化は可逆的な過程を経て不可逆的な過程に移行することが知られていた。今回の研究代表者の結果は、この可逆的な分化過程でフィコビリソームの分解が始まることを意味しており、従来の定説よりも早い分化段階で光合成タンパク質の量的変化が起きていることを示している。
現在、研究期間中の成果をまとめ、国際誌に投稿する準備を行っている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] DIpartite: A tool for detecting bipartite motifs by considering base interdependencies2019

    • 著者名/発表者名
      Mohammad Vahed, Jun-ichi Ishihara, Hiroki Takahashi
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 14(8): e0220207 ページ: 1-14

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0220207

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-01-27  

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