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2018 年度 実施状況報告書

渦鞭毛藻細胞に見られるシアノバクテリア共生体の機能および進化の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K15164
研究機関東北大学

研究代表者

中山 卓郎  東北大学, 生命科学研究科, 助教 (70583508)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード共生進化 / シアノバクテリア / 渦鞭毛藻 / 比較ゲノム
研究実績の概要

本研究は、渦鞭毛藻に共生するシアノバクテリアのゲノム解読を通じて、当該共生体の役割および進化を解明することを目的としている。この研究計画は大まかに(I)共生性渦鞭毛藻の採集 (Ⅱ)共生シアノバクテリアゲノムシーケンシング (Ⅲ)アセンブリングおよびゲノムアノテーション (Ⅳ)比較ゲノム解析および代謝機能解析という4つのプロセスに分けられ、Ⅰ、ⅡおよびⅢについては平成29年度に完了していた。今年度は(Ⅳ)比較ゲノム解析及び代謝機能解析に加えて、地球規模の海洋メタゲノムデータを利用した分布解析を行った。
まず、多遺伝子分子系統解析からOrnithocercus属の共生シアノバクテリアは、これまで詳細が知られていなかった海洋シアノバクテリアの独立した一系統であることが示された。また比較ゲノム解析から、そのゲノムは近縁な自由生活性のシアノバクテリアゲノムと比較して明らかに縮退していることが示された。その一方で生存に必須な遺伝子の欠失は確認できず、代謝的には自立していることが予想された。さらに公共データベースで公開された海洋メタゲノムデータを基に、本研究で解析した共生体および宿主渦鞭毛藻の自然界における分布推定を行ったところ、共生体が全球規模で分布することが予想されたのと共に、共生シアノバクテリアと宿主渦鞭毛藻の分布は非常に良く一致することから、共生シアノバクテリアは共生体チャンバーでのみ生育している可能性が示された。
上記の成果はすでに論文として纏められ、現在国際学術誌ににおいて査読を受けている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

今年度予定していた比較ゲノム解析に加え、メタゲノムデータを用いた挑戦的な解析を行ったことで、当初の目標を越える成果を得られたと考えている。また最終年度に予定していた論文投稿も今年度中に行えたことから、当初の計画以上に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

来年度は、現在査読中である学術論文の採択を目指すと共に、これまでに解析したOrnithocercus属の種とは異なる共生性渦鞭毛藻のシアノバクテリア共生体ゲノムの解析を進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Genome analysis of a symbiotic cyanobacterium in a dinophysialean dinoflagellate, Ornithocercus magnificus2018

    • 著者名/発表者名
      Takuro Nakayama, Yoshihito Takano, Mami Nomura, Kogiku Shiba, Kazuo Inaba, Goro Tanifuji, Yuji Inagaki, Masakado Kawata
    • 学会等名
      XXII Meeting of the International Society of Evolutionary Protistology
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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