オサムシ科幼虫を対象として、口器の大顎形態の多様化機構の解明を試みた。オサムシ族、オサムシモドキ族、ツヤナガゴミムシ族、セアカヒラタゴミムシ族、ナガゴミムシ族、スジバネゴミムシ族、アオゴミムシ族の種の幼虫について、飼育に基づいた食性データ、幼虫標本に基づいた大顎形態のデータを得た。特に、ナガゴミムシ族とアオゴミムシ族に関しては、これまで全く予想されていなかった食性および形態のデータが得られた。一部の種では、大顎形態から予測される幼虫食性と、餌選択実験および飼育実験(餌は非選択)の結果が一致し、食性適応としての大顎形態の特殊化が、オサムシ科の中で独立して起こっていることが示唆された。
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