研究課題/領域番号 |
17K15175
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
遠山 弘法 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 特別研究員 (00571837)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | マレーシア / 植生調査 / 種同定 / DNAバーコーディング / 多様性評価 |
研究実績の概要 |
過去数十年という短いタイムスケールで行われた熱帯林伐採は、数億年という長い進化的な歴史を背景に形成された植物多様性の急速な消失を引き起こし、植物群集の構造を変化させる。本研究では、進化時間スケールを考慮に入れた生物多様性の評価・将来予測を、熱帯林伐採が著しいマレーシアで行うことで、今後マレーシア(ボルネオ)で生物多様性の維持・回復に向けてどのような方法が有効かを検討する事が目的である。 2021年度は、野外調査、DNAバーコーディング、解析を計画していたが、新型コロナウィルスの影響により野外調査を行う事が出来なかった。また、これまでの調査による標本の輸送についても同様に取りやめた。上記の理由により科研費の延長申請を行い2022年度まで継続することとなった。2021年度は、手元にある293サンプルのDNAバーコーディングを進め、rbcL及びmatK配列を決定した。そして、DNAバーコーディングの結果を参考に種同定を進め、プロット木の1/5の種同定を終えた。予備的な結果ではあるが、現地の研究者によって同定された結果と比較すると比較すると科レベルで約10%、属レベルで約30%、種レベルで約60%異なっていた。今後は種同定を進め、地域の植物相をまとめる論文を準備し、標本画像をデータベースに登録し公開する予定である。また、群集系統解析を通して、誤同定が多様性評価において、どのような影響があるのかを評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスにより野外調査に行くことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も野外調査を行う事は難しそうだが、行けそうであれば、研究目的は変えず、解析プロット数を減らすことで時間の遅れを取り戻す予定である。行けない場合は、現在のサンプルのみで多様性評価に注目した解析を進めていく。特に、誤同定が多様性評価にどのような影響を与えるのか明らかにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響で海外での野外調査を行えなかったため。 今年度、野外調査道具費、野外調査旅費、実験試薬費にあてる予定である。
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