一般的に生物の野生への放流には、遺伝的撹乱、遺伝的多様性の低下、病気の持ち込みなどのリスクが懸念される。適切で効果的な保全再生活動のため、サンゴの自然状態における増殖状況や遺伝的多様性を基準とした、具体的な指針づくりに役立つ科学的知見を集めることを目的とした。沖縄県恩納村で大規模に行われているサンゴ養殖場の遺伝的多様性、クローン群体の割合を野生のサンゴ群集とをマイクロサテライトを多型マーカーとして集団遺伝学的に比較した。また一塩基多型を取得・分析し、久米島のサンゴ集団および、恩納村の養殖場内のサンゴ群体とその周辺野生群体の遺伝的関係性について詳細かつ解像度の高い集団遺伝学的解析を行った。
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