研究実績の概要 |
今年度は、下記について実施した。①菌床シイタケ栽培施設におけるナガマドキノコバエ類天敵寄生蜂の解明について森林総合研究所の研究者と共同研究を進め、寄生蜂の分布と分類学的位置について明らかにし、報告を行った。前者については論文として公表したほか、日本きのこ学会でも発表し、優秀ポスター賞を受賞した。後者については論文として投稿し、受理判定を得て現在印刷中である。②日本本土部から記録がなかったPlectiscidea (Fugatrix) collaris (Gravenhorst, 1829)を新たに記録した。③新種Catastenus japonicus Watanabe, 2019を本州産の標本を元に記載した。本種は世界から4種目となる種であり、今のところ日本固有である。④Aniseres subarcticus Humala, 2007を日本から新たに記録した。属レベルでも初めての発見である。⑤日本産のGnathochoris属を検討し、従来日本としか分布が書かれていなかった2種を再発見したほか、3日本新産種と1新種を発見、記載した。この成果は論文として投稿し、受理判定を得て現在印刷中である。⑥参照標本コレクションの重要性について、日本昆虫学会で講演した。⑦上記のほか、調査に付随して得られたヒメバチについて若干の論文を発表した。
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