我が国において多様性の解明が遅れている菌食性昆虫の寄生蜂について、主に分類学的研究を行った。研究はヒメバチ科ハエヒメバチ亜科の寄生蜂を主な対象とし、野外調査と標本調査により資料を収集して実施した。我が国のハエヒメバチ亜科は、研究開始前は5属5種が知られるのみであったが、本研究により2新種を含む19属31種に増加した。生態の研究成果として、森林総合研究所の研究者との共同研究により、害虫ナガマドキノコバエ類の寄生蜂相を明らかとし、代表的な寄生蜂であるシイタケハエヒメバチとヨリメハエヒメバチについては国内の分布や寄生様式、寄生率などを明らかとし、シイタケ圃場で有力な天敵となる可能性も示唆された。
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