研究課題
陸生種のほとんどが含まれるハバビロガムシ亜科系統で初期に分岐したマメケシガムシ族に含まれるマンゲツガムシ属の幼虫を初めて明らかにし、その形態について議論した。マンゲツガムシ属の幼虫は、水生種やCylominae亜科と祖先的な形質を共有する一方、一部の形質を他陸生種と共有していた。今後、同族他種との比較検討を進める予定である。新環境進出プロセスを考察する上で重要なCylominae亜科の国際共同研究を進め、Saphydrus属のレヴィジョンおよび幼虫に基づく新属新種記載論文が受理済みである。本研究では幼虫の形態研究を担当した。この国際共同研究では、前年度に出版した本研究に関する論文が日本昆虫学会2019年度論文賞を受賞した。ガムシ上科では、セスジガムシ科(セスジガムシ属)の幼虫形態研究を共同研究で行った。セスジガムシ属の幼虫は一見して祖先的な形態をしており、陸上生活種が多く含まれることから、ガムシ上科における水中進出進化を議論する上で欠かせないものである。幼虫形態が比較的解明されているグループではあるが、Gephelophorus亜属については不明なままであった。本研究では日本産種を利用しGephelophorus亜属の幼虫を明らかにし、他種との比較を行った。また、ガムシ科の形態学的研究の一環として、成虫の分類研究を進めた。ヒメタマガムシ属とミナミチビマルガムシを日本から初めて記録し、小型のヒラタガムシ属3種についてタイプ標本に基づき過去の誤同定を訂正した。
蓑島悠介, 2020. がむしといふいきもの ちいさなヒラタガムシのはなし. ぎょぶる第9号: 88-89.
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