研究課題/領域番号 |
17K15193
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研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
長谷川 克 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 日本学術振興会特別研究員(PD) (90724659)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 性選択 |
研究実績の概要 |
まずは新たに宮崎に出向き野外調査を試みたが、予備調査の結果十分な数の繁殖が確認できず、サンプルの採集を行うことができなかった。本研究を遂行するためには十分な数の繁殖が不可欠であり、予定していた個体群を使った調査は難しいことがわかった。そのため、新たな調査地選考に先駆け、ひとまず宮崎で過去にとっていたデータを解析している。宮崎個体群のデータが増える見込みが少ないことから、これまでに得られたデータのみを使って論文を執筆することを検討している。コントロールとして設定していた上越個体群では十分なサンプルが取れているので、上越個体群と宮崎個体群の違いに焦点を当てた研究をまとめるかたちで進めている。さらに、上越個体群では思っていたよりもサンプルが取れているので、購入済みのスペクトロメータを活用してこの個体群内で見られるパターンに注目して研究を進めている。また、採取してある羽毛を用いた安定同位体分析については、分析に向けて試料分析先との協議を重ねている。こちらについては、方法の妥当性を検討した上で、本分析に向けて話をまとめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実績の概要に記したように、調査地の繁殖状況が芳しくなく、データの取得が困難になっている。当初予定していた調査地とは異なる別の場所を調査地に選ぶことを検討しているが、適当な調査地がまだ見つかっておらず、研究全体に遅延が生じてしまっている。その代わりとして、すでに得られているデータを使った分析を進めている。スペクトロメータを用いた羽色測定については既存のサンプルを使って有効性を確かめたところであり、今後はこの方法を洗練して研究を進めていくことができる。新規分析手法については分析先との協議を重ねているが、実験設備や具体的な手法の選択に手間取っている。
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今後の研究の推進方策 |
宮崎でのデータ取得が難しいことから、今後は新しい調査地を探しつつも、既存の生息地を用いた研究体制にシフトしていくことを予定している。宮崎で過去に採取したデータやコントロールとして設定している上越個体群のデータを活用して研究を進めていくことを予定している。このまま新しい調査地が見つからない可能性も考え、既存のデータや調査地を用いて越冬場所の効果自体を調べるなど、研究計画を大幅に見直して新たな目的設定を行うことも視野に入れて研究を推進していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬の見積り額や旅費の予想金額に少しズレが生じ、次年度使用額が生じた。
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