本研究は渡りの消失がもたらす種々の影響を調べるものである。渡り鳥であるツバメは場合によっては渡り行動を消失させて留鳥として繁殖も越冬も同一の環境で行うことが知られており、私たち自身の調査によっても、渡りの消失が見られることが確認された。現在、その影響を調べ、論文化しているところである。また、渡りを行わないことが知られるリュウキュウツバメについても着目して調べたところ、100年に1度の厳冬によって、種々の形態的な特徴に生存における自然選択が働くことがみつかり、渡りをしないことが形態に大きな影響を与えることが明らかになった。
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