生物には人生のスケジュールがあり、これを生活史と呼ぶ。生物によっては複数の人生プランを持つものがおり、各個体が状況に応じてどちらかを選択する。これを代替生活史戦術とよび、サケ科魚類の河川残留と摂餌回遊が有名である。本研究では、個体がどのように意思決定し、それが個体群内の相互作用を介してどのように進化するのかを数理モデルを用いて解析した。この研究は、水産資源として重要な魚類を含む野生生物について、外的環境変化が生活史を通して個体群(資源量)や、形質進化(特徴)にどのように影響するのかや、気候変動など環境改変が生態系に与える不可逆的な影響を与えるか否かを知るためのフレームワークを提供する。
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