研究課題
若手研究(B)
ヒトの大脳新皮質は高次脳機能を司っており、その拡大はヒト特有の高い認知能力や言語能力の基盤となっている。一方でヒトの中枢神経系は障害に対して脆弱であり、修復能に乏しい。近年、エンハンサーはこれまで考えられていた以上に高い組織特異性と進化速度を示し、その獲得や欠失は生物の複雑性や進化に大きく貢献していることが報告されている。本研究ではエンハンサーに着目し、神経幹細胞や自己複製能を持つミクログリアを対象したエンハンサーの解析を行い、同定したエンハンサーの機能解析を行った。
細胞生物学
ヒトは大脳皮質の進化により、多くの高次機能を得たが、各種の精神疾患や、神経変性疾患などの疾患リスクをも得てしまった。また、ヒト中枢神経系は修復能に乏しく、脳卒中は手足の麻痺などの重度な後遺症をもたらす主な原因となっている。本研究では脳組織内で自己複製能を持つ神経幹細胞やミクログリアのエンハンサーに着目し機能解析を行った。これは、ヒト大脳皮質の進化・発生の理解が前進するのみならず、疾患の原因解明や治療法の開発においても重要な基盤データを提供し得るものである。