対象者は20~30代の若い世代であったが、寝つきが非常に良い者が予想よりも多い結果となった。若い世代で問題となっている慢性的な睡眠不足も影響している可能性がある。またそのような者では、寝つきの良し悪しに関する主観的な評価と客観的な評価とが乖離する特徴もみられた。寝つきの良いときと悪いときでの比較では、寝つきの悪いときには入眠と判定されるまでの時間の延長のほかに睡眠段階1や2が増加し、心拍変動解析による入眠前の交感神経活動の亢進とNIRS指標の酸素化ヘモグロビンが多くみられた。NIRS指標には個人差が大きいものの、寝つきが悪いときには前頭部の過覚醒が関わるという仮説を一部支持する結果であった。
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