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2019 年度 実施状況報告書

オミクス解析によるジャガイモそうか病抵抗性機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K15213
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

浅野 賢治  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 主任研究員 (80547034)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードばれいしょ / そうか病 / 抵抗性 / 遺伝解析 / オミクス解析
研究実績の概要

そうか病抵抗性が極強のユキラシャと弱のながさき黄金の雑種後代180系統について、昨年までと同様の方法でそうか病抵抗性を評価した。本年の罹病度は最大68.6、最小4.2の間、発病率は最大100%、最小10%の間で連続的な分布を示した。親品種であるユキラシャの罹病度は7.4、発病率は24.3%、ながさき黄金の罹病度は32.3、発病率は68.0%であり、雑種後代では超越分離が見られた。本年の発病評価結果は、過去2年の結果と概ね一致していた。
ユキラシャとながさき黄金の雑種後代180系統から、平成29-30年の2カ年の評価結果に基づき選抜した抵抗性強系統群と弱系統群を各20系統について、SolCAP SNPアレイにより21,226個のSNPの遺伝子型を取得した。両親間で多型の無いSNPやデータ品質の低いSNP等を削除した結果、7,163個のSNPの遺伝子型が取得できた。7,163個のSNPについて、抵抗性強系統群と弱系統群の間で分離比が異なるSNPを探索した。その結果12本の染色体のうち7本の染色体に座乗する39個のSNPが、抵抗性強系統群と弱系統群の間で分離比に有意な差があることが明らかとなった。
抵抗性強系統群と弱系統群を各20系統についてそうか病汚染圃場で栽培し、そうか病の感染時期であるとされる塊茎肥大初期に塊茎及び葉のサンプリングを行った。塊茎については表皮部分からDNAを抽出し、細菌の16S rRNA領域の配列を増幅し次世代シーケンサーによる多様性解析を行った。また、葉については核磁気共鳴(NMR)法によるメタボロミクス解析を実施した。これらの結果については現在解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和元年度に予定していた抵抗性強系統群と弱系統群を各20系統について、ゲノミクス、メタゲノミクス、メタボロミクスの各オミクス解析についてデータを取得した。ゲノミクス解析に関しては、抵抗性強系統群と弱系統群の間で有意に分離比の異なる領域を見出し、DNAマーカーの候補となるSNPを選定することができた。メタゲノミクス、メタボロミクス解析についても現在データ解析を進めており、これらの解析を通じてそうか病抵抗性を相関のある微生物層や代謝物を特定できると期待される。

今後の研究の推進方策

系統群の間で有意に分離比の異なるSNPについて、詳細な解析を行い候補となるSNPの絞り込みを行う。未解析系統についてもSolCAP SNPアレイで解析し、候補SNPの絞り込みを行う計画であったが、SolCAP SNPアレイはアメリカの企業に解析委託しており、国際郵便が送付できない場合の代替策を検討中である。また、雑種集団全体や様々な遺伝資源に解析対象を拡大し、各共生微生物、代謝物の解析を実施する予定であったが、コロナウイルス対応による人員削減により大規模な汚染圃場の設置が行えなくなったため、共生微生物、代謝物の解析は実施しない。代わりに特定したSNPについて、雑種集団や遺伝資源において遺伝子型を決定し、過去に取得した抵抗性データとの相関を解析する。また、抵抗性親と感受性親との間で遺伝子発現の解析を行い、SolCAP SNPアレイの結果と照らし合わせることにより、候補領域の絞り込みを行う。

次年度使用額が生じた理由

今年度遺伝子型データの取得と次世代シーケンサーによるメタゲノミクス解析を実施したが、それらの解析費用が予定より安価だったため。
まだ、遺伝子型を取得していない系統について、新たに遺伝子型を取得するために予算を多く使用する。また、新たに計画している遺伝子発現解析のための費用を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 気候変動がバレイショ病害に 及ぼす影響と育種的対応2019

    • 著者名/発表者名
      浅野賢治
    • 学会等名
      日本植物病理学会北海道部会
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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