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2017 年度 実施状況報告書

リンゴ高接病抵抗性の早期選抜法の開発および原因遺伝子のポジショナルクローニング

研究課題

研究課題/領域番号 17K15226
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

森谷 茂樹  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門, 主任研究員 (90391474)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード果樹 / リンゴ / 病害抵抗性 / ウイルス病
研究実績の概要

(1)ACLSVに対する感受性原因遺伝子の連鎖地図上へのマッピング
ミツバカイドウの「サナシ63」を片親とするF1実生集団の121個体(ミツバ集団)、およびマルバカイドウ「盛岡セイシ」を片親とするF1実生集団の100個体(マルバ集団)に対して、リンゴクロロティックリーフスポットウイルス(ACLSV)を接種し、高接ぎ病病徴の発生の有無を観察し、表現型の判定を行った。次に、ミツバ集団とマルバ集団を用いてACLSVに対する感受性原因遺伝子(Cv)のマッピングを行った。ミツバ集団では、すでに構築されている全ゲノム連鎖地図(Moriya et al. 2012)を利用し、マルバ集団ではゲノムスキャニングアプローチを実施した。その結果、Cvは、ミツバカイドウでは第10染色体上に、また、マルバカイドウでは第4染色体上に座乗していた。両品種の感受性原因遺伝子が異なる染色体上にマッピングされたことから、両品種で現れる症状の違いは異なる原因遺伝子によって制御されていることが示唆された。そこで、今後、「ミツバカイドウ」由来の遺伝子をCv1、「マルバカイドウ」由来の遺伝子をCv2と標記し、区別して扱うこととした。
(2)ポジショナルクローニングに用いる新たな交雑実生個体の獲得
Cv1のポジショナルクローニングを行うための材料を得るために、「JM7」(cv1cv1)×「サナシ63」(Cv1cv1)の交雑を行った。300花の交雑行い、1819粒の種子を得た。また、Cv2のポジショナルクローニングを目的として、「ふじ」(cv2cv2)×「マルバカイドウ」(Cv2cv2)の交雑を行った。300花の交雑を行い、743粒の種子を得た。現在までに、これらの種子を播種した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の結果、ACLSVを原因とする高接ぎ病の発症を決定する遺伝子であるCv1とCv2について、染色体上の座乗位置が明らかにされた。本研究は、世界に先駆けて、リンゴのウイルス病の発病決定因子の染色体座乗領域を明らかにしたものである。また、ポジショナルクローニング用の材料の獲得においては、解析に十分な数の個体を得ることができた。
以上のことから、研究の進捗はおおむね順調であると判断した。

今後の研究の推進方策

今後は、Cv1およびCv2の座乗領域について、リンゴゲノム情報を用いたファインマッピングを行う。また、新たに得られたポジショナルクローニング用の個体群については、Cv1またはCv2近傍の領域において染色体の組換えが起きている個体をDNAマーカーを用いて探索する。さらに、上記の研究で開発されるDNAマーカーの中から、育種に利用可能なものを選抜マーカーとして提示する。

次年度使用額が生じた理由

平成29年度の「旅費」に関しては、年度末の学会に参加し、交付金から旅費を支出したために、本研究費からの支出がなかった。
平成30年度は、植物材料の維持管理、DNAマーカーの作製および検出に「物品費」を用いる。また、これらの実験を実施する者を雇用するために「人件費・謝金」を用いる。研究代表者が学会に参加して成果を発表するために「旅費」を用いる。「その他」は学会誌の掲載料に用いる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] リンゴ高接病感受性原因遺伝子のラフマッピングとファインマッピングにむけた集団の作成2018

    • 著者名/発表者名
      北本尚子・森谷茂樹・岡田和馬・清水拓・伊藤伝・阿部和幸
    • 学会等名
      園芸学会平成30年度春季大会

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公開日: 2018-12-17  

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