(1)連鎖地図の高密度化 Cv1およびCv2がマッピングされた領域について、リンゴゲノムとの対応付けを行ったところ、それぞれ、4.7Mbと0.6Mbの範囲に座乗していることが明らかとなった。当該領域の塩基配列から、新たにSSRマーカーを設計し、両遺伝子の座乗領域を絞り込んだ。その結果、Cv1については17種類、Cv2については14種類のSSRマーカーが新たにそれぞれの候補領域内にマッピングされた。さらに、Cv1に関しては、上記に加えて新たな材料によるマッピング解析も追加した結果、0.6Mbの範囲まで候補領域が絞り込まれた。 (2)DNAマーカー選抜法の開発 上記で開発した新規SSRマーカーの中から、Cv1またはCv2と強く連鎖し、対立遺伝子の識別性に優れるマーカーを探索したところ、Cv1についてはMdo.chr10.80が、Cv2については、Mdo.chr4.14が見いだされた。これらについては、根頭がんしゅ病抵抗性選抜DNAマーカーであるNZmsEB119405、および挿し木発根性選抜DNAマーカーであるSAmsCN490324と増幅される塩基長が重ならず、DNAシーケンサーを用いて複数形質についてのマーカー選抜する際にも利用できることが示唆された。 (3)ポジショナルクローニングに有用な個体の選抜 平成29年度に交雑したCv1についてのポジショナルクローニング用F1集団「JM7」×「サナシ63」について、1819粒の種子を播種した。発芽した1520個体について、Cv1候補領域内での組換えが起きている個体を識別したところ、8個体が選抜された。同様に、Cv2についてのポジショナルクローニング用F1集団「マルバカイドウ」×「ふじ」について、743粒の種子を播種した。発芽した540個体について、Cv2候補領域内での組換えが起きている個体を識別したところ、13個体が選抜された。
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