トマト果実への光合成産物の転流と分配は果実収量を決定する最も重要な機能であるにも関わらず、その機能を観測し定量的に解析することは困難であった。本研究では、放射線イメージング技術を利用して、生きたトマトの個別の葉から果房内の各果実への転流・分配過程を連続的に動画像として捉える可視化技術を開発し、光合成産物の長距離輸送とその各果実への分配機序を解析することに成功した。これによって、果房の上下に位置する個別の葉の果実への光合成産物の輸送機序とその寄与を明らかにする強力なツールであることを示し、トマトの果実肥大を促進させる摘葉・摘果技術の科学的根拠を提供するものとして有効であることを示した。
|