本研究では、アンモニア耐性株であるプラスチド型グルタミン合成酵素欠損株(gs2株)の解析により、アンモニア毒性の原因解明を目指した。硝酸イオン条件と比較してアンモニアストレス条件の野生株では、酸消費反応であるグルタミン酸合成よりも酸生成反応であるグルタミン合成が促進されたが、gs2株ではこれらの応答が緩和された。硝酸イオン条件と比較してアンモニアストレス条件の野生株では、酸ストレス遺伝子発現応答及び組織酸性度が増加したが、gs2株ではこれらの応答が緩和された。また、外液pHの上昇によって野生株のアンモニア毒性が緩和された。以上から、酸ストレスがアンモニア毒性の原因の一つであると結論づけた。
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