本研究の目的は環境からトマト苗姿が決定される際に関わることが想定される分子機構がどの程度実際の苗姿と関わっているかを定量化し、高精度なシミュレーションモデルを立てることにあった。研究の結果、複数の転写因子bZIPがいくつかのXTHの発現調節を介して維管束の発達を制御していることが明らかとなった。トマトの苗姿に大きな影響を与える窒素栄養が維管束の発達、遺伝子発現にいつ、どの部位でどの程度影響を与えるのかを定量化し、温度条件との関係性も明らかにすることができた。この結果を用いて栄養条件および温度条件の入力からトマト苗の草丈と茎径をシミュレーションできるソフトウェアを開発した。
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