本研究ではピペリン分解酵素を初めて微生物より単離精製し、遺伝子配列を同定することができた。本酵素は培地にピペリンが存在する時のみ発現が見られたことから、誘導酵素であった。さらに、本酵素の諸性質として、酵素動力学定数の算出を行うとともに、酵素阻害剤として約20種類の低分子化合物と金属の影響について検討を行った。一方で、酵素遺伝子のクローニングには成功したものの、大腸菌、放線菌(Streptomyces 1種、Rhodococcus 5種)を宿主とした異種発現は成功しなかった。 本研究により、ピペリンの天然における代謝の初発反応を初めて解明することができた。
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