糸状菌(カビ)は酵母とは異なり、菌糸を伸長している栄養生長時にも細胞が融合する。我々は糸状菌の一種である麹菌Aspergillus oryzaeにおいて、糸状菌特異的な新規タンパク質FipCを同定し、これが細胞融合に関与する機能を持つことを示していた。 本研究における遺伝学的な解析から、FipCが転写因子AoSte12を介して細胞融合に関わる遺伝子群の転写を制御することを示した。さらにFipCと相互作用する2つのタンパク質を同定した。これらは糸状菌特有の細胞融合メカニズムを解明する上で重要な知見である。
|