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2017 年度 実施状況報告書

消化管上皮細胞機能を調節する食品素材と生物活性成分の探索

研究課題

研究課題/領域番号 17K15262
研究機関北海道大学

研究代表者

加藤 英介  北海道大学, 農学研究院, 講師 (40466446)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード糖尿病 / プロアントシアニジン / α-グルコシダーゼ / Caco-2細胞 / ヘザーフラワー
研究実績の概要

2型糖尿病は世界での患者数が億人単位に達しており、治療法と共に予防法など種々の対策研究が行われている疾患である。食事は2型糖尿病と関わりが深いため、トクホや機能性表食品が予防に活用されている。しかし現在、糖尿病予防効果を示すそうした機能性食品の作用は消化酵素の阻害を標的としたものしかないため、より様々な効果を有する機能性食品の開発が必要とされている。
本研究では今年度、新たな作用標的として消化管上皮細胞に着目し、その機能を調節する食品素材と成分探索、機能解析を行った。消化管上皮細胞が発現するα-グルコシダーゼは糖質の消化を担いうため、その発現量低下は抗糖尿病効果として有用であると考えられる。そこで、小腸上皮細胞モデルCaco-2細胞を用いてα-グルコシダーゼ発現量を低下させる食品素材とその機能性成分の探索を行った。その結果、ハーブティーとして活用されているヘザーフラワーを見出した。ヘザーフラワー抽出物をCaco-2細胞に処理することで、α-グルコシダーゼ発現量が低下し、糖基質の分解速度が低下した。さらに、この作用を指標として機能性成分の探索を行った結果、プロアントシアニジンを見出した。このプロアントシアニジンもまたCaco-2細胞に処理することで、糖基質の分解速度が低下することが確認された。さらに、プロアントシアニジンがフラバン-3-オール重合体であることから、モノマーであるカテキンなども同様の作用を示すか比較したが、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキンには作用が見られず、Caco-2細胞に対する効果が、プロアントシアニジン特有のものであることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では当初、シソ葉を候補素材として用いる予定だったが、より有用な素材としてヘザーフラワーが見出されたため、ヘザーフラワーを候補植物として用いた。これにより、α-グルコシダーゼの発現量を低下させる機能性成分の同定とその作用の確認が順調に進展した。また本研究ではグルコーストランスポーターの発現量を低下させる食品探索も行っているが、経費の関係からスクリーニング点数が限られたため有用素材が見つかっていない。以上の理由から概ね順調と判断した。

今後の研究の推進方策

α-グルコシダーゼの発現量を低下させる機能性成分については1つ同定できたため、その作用メカニズムや構造と機能の関係について解析を行っていく。またスクリーニングからはシソを含めて他にも候補素材が見つかっているため、そうした素材についても展開していく。グルコーストランスポーターの発現量を低下させる食品探索については、スクリーニング点数を増やすことでまず候補素材を見出す予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Calluna vulgarisからのα-グルコシダーゼ発現量抑制物質の探索2018

    • 著者名/発表者名
      野田 耕太,加藤 英介,川端 潤
    • 学会等名
      日本農芸化学会2018年度大会
  • [学会発表] Establishment of a simple method to search natural products that suppress alpha-glucosidase amount in intestinal epithelial cell2017

    • 著者名/発表者名
      Kota Noda, Eisuke Kato, Jun Kawabata
    • 学会等名
      65th International Congress and Annual Meeting of the Society for Medicinal Plant and Natural Product Research
    • 国際学会
  • [学会発表] Caco-2細胞をモデルとした消化管α-グルコシダーゼ発現量抑制物質の探索2017

    • 著者名/発表者名
      野田 耕太,加藤 英介,川端 潤
    • 学会等名
      第35回メディシナルケミストリーシンポジウム

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公開日: 2018-12-17  

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