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2017 年度 実施状況報告書

緑茶による腸内細菌を介した肥満誘導性炎症抑制機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K15268
研究機関信州大学

研究代表者

荻田 佑  信州大学, 先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所, 助教(特定雇用) (50738010)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード抗炎症効果 / Flavonifractor plautii
研究実績の概要

平成29年度の前半でFlavonifractor plautii(FP株)の培養方法の確立を行なった。続いて、FP株の抗炎症効果をin vitroで検討した。マウスマクロファージ由来細胞株RAW264.7細胞をリポポリサッカライド(LPS)で刺激するとともに、FP株を10^4、10^6あるいは10^8 cfu/well添加して培養したところ、炎症性サイトカインTNF-αmRNA発現がFP株を10^6 cfu/well添加したグループで有意に減少した。一方で、抗炎症性サイトカインIL-10mRNAはFP株無添加とFP株を10^4あるいは10^6 cfu/well添加したグループでは変化はなかったが、FP株を10^8 cfu/well添加したグループでは有意に発現量が増加した。しかしながら、FP株のRAW264.7細胞に対する細胞増殖能をMTTアッセイで検討したところ、FP株を10^4あるいは10^6 cfu/well添加したグループではFP株無添加グループと比較して変化はなかったが、FP株を10^8 cfu/well添加したグループでは細胞増殖能が低下していた。さらに、FP株のアポトーシス誘導能を検討するため、FP株添加後のRAW264.7細胞におけるDNAの断片化を電気泳動を行い確認したところ、FP株を10^8 cfu/well添加したグループでDNAの断片化が確認された。従って、RAW264.7細胞を用いた炎症抑制能の検討試験において、FP株を10^6 cfu/well添加した場合に、細胞増殖能を抑制し、アポトーシスを誘導することなく抗炎症性が発揮されることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度はFP株がマウスマクロファージ細胞株RAW264.7を用いたin vitroの系で炎症性サイトカインTNF-αmRNA発現を抑制することを明らかとし、FP株の抗炎症効果を明らかとした。一方で、今年度前半はFP株の培養条件の検討に時間がかかり、FP株を用いた研究の着手が遅れた。また、腸管上皮モデルを用いたin vitro試験を行う予定であったが、モデルの再構築を行なったため、研究の着手が遅れており、現在、腸管上皮モデルを用いた検討を行なっている。

今後の研究の推進方策

平成30年度は予定通り、M細胞モデルを用いたFP株の取り込み試験と肥満マウスへのFP株の投与試験を行う予定である。前年度までにFP株の抗炎症効果を明らかとしたため、肥満マウスの脂肪組織炎症を軽減することが大いに期待できる。さらに昨年度のRAW264.7細胞を用いた検討により、過剰量(10^8 cfu)のFP株は細胞死を誘導することが示唆されたため、まず、動物試験においてはマウス1匹あたり10^6 cfu/回投与することとする。

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公開日: 2018-12-17  

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