研究課題
若手研究(B)
腸管樹状細胞に特異的に発現するRALDH2は、レチノイン酸合成酵素であり、食品などに対する免疫寛容の誘導に必須である。本研究では、RALDH2の発現を亢進する食品成分としてケンフェロールを同定した。RALDH2の発現はAhRという転写因子によって負に制御されており、ケンフェロールはAhRの機能を阻害することでRALDH2の発現を亢進することが明らかとなった。
食品免疫学
食物アレルギーの対処法は、アレルゲン食品の除去が一般的であったが、昨今、アレルゲン食品を少量ずつ食べ続けることで耐性獲得を目指す経口免疫寛容法に注目が集まっている。ケンフェロールを摂取すると、腸管樹状細胞でのRALDH2発現が亢進し、経口免疫寛容成立に対して補助的な機能を発揮することが期待される。