本研究では、①マスト細胞が感染防御に重要なIgA抗体価、腸間膜リンパ節における制御性T細胞とその誘導に関わるCD103+樹状細胞の割合を制御することを明らかにした。さらに、食物アレルギー発症抑制に関わる「経口免疫寛容」誘導においてもマスト細胞が重要な役割を果たすことを示した。②抗生物質処理により腸内共生細菌叢をコントロールすることにより、マスト細胞依存的アレルギー応答の症状が軽減されることを見出し、その機序の1つとして、腸内共生菌がマスト細胞が活性化した際に放出するヒスタミンの受容体の発現量を調節することによるものであることを明らかにした。
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