デスモイド腫瘍は良性腫瘍に分類される線維腫の一種であり、その細胞は筋線維芽細胞由来であると考えられている。しかし、その標準治療法は未だ確立されていない。そこで本研究では、薬剤スクリーニングに使用するためのデスモイド腫瘍様細胞株を確立することを目的とした。我々は、マウス腸ポリープ間質細胞を用いることで、デスモイド細胞培養株の樹立に成功した。さらに、現在臨床の現場において実際の治療に用いられているcelecoxibの作用について検討したところ、濃度依存的な細胞増殖の抑制作用が認められた。以上の成果は、今後デスモイド腫瘍の治療および予防に有用な食品因子の探索につながる基盤的知見になると考えられる。
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