イオン液体のセルロース溶解度を、従来の目視観察という不確実性のあるものではなく、分光学的手法を用いて分子レベルから真の溶解度を決定し、その溶解メカニズムに迫ることを目的とした。その成果をまとめると、以下の3つに集約できる。①従来の目視観察では20%以下の溶解度と考えられていたものが、分子レベルでは40%に近い濃度で溶解できることが分かった。②その高い溶解度の原因の一つは、我々が発見したアニオン架橋現象に由来することが強く示唆された。③更に、いくつかのイオン液体では、セルロースと共結晶を作るという、従来にない全く新しい現象が観察された。
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