バイオマス活用に向けてリグニン生合成の解明が期待されているが、リグニン前駆物質の輸送は不明な点が多い。これまで樹木のコニフェリン輸送活性を明らかにしてきたが、その機能は不明である。本研究ではコニフェリン輸送活性の高いポプラミクロソーム膜画分を解析しコニフェリン輸送体候補を絞り込んだ。また、樹木分化中木部にp-グルコクマリルアルコール輸送活性を、さらにモウソウチク当年稈にコニフェリンとp-グルコクマリルアルコールの輸送活性を発見した。針葉樹、広葉樹、および単子葉類の木化組織において、コニフェリンおよびp-グルコクマリルアルコールの輸送体が保存されている可能性がある。
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