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2017 年度 実施状況報告書

コンピュータビジョンによる非接触な魚体測:3次元点群処理を応用した魚体重推定

研究課題

研究課題/領域番号 17K15306
研究機関北海道大学

研究代表者

米山 和良  北海道大学, 水産科学研究院, 助教 (30550420)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード3次元点群処理 / 魚体重計測 / ステレオ計測
研究実績の概要

養成中の養魚の魚体長・魚体重を非接触に計測して成長過程を追うことは養殖生産効率の向上に必要で、民間企業・増養殖研究者の間では根強いニーズがある。本研究では、非接触な魚体長、体重推定の実現を目的とした3次元点群処理による養魚の魚体形状の画像計測と機械学習で体重推定を行い、体重推定システムの構築を目的としている。
平成29年度では、3次元点群処理によるマダイの画像計測により魚体形状の可視化を空中試験で行い、マダイ魚体の片側側面の幾何学的な形状を量的に評価することができた。続いて水中で計測を実施したが、本研究で使用している平行ステレオ法が、水中と空中の屈折率の違いから3次元点群処理を実施できない、もしくは限定的な計測になることが判明した。このため、水中での3次元点群処理を実現するため、次年度の課題として水中計測できるように計測パラメータの補正方法を検討することとした。また、3次元点群処理とは異なるDLT法による3次元計測を代替システムとして実施したところ、正確度1~2 cm程度で水中で魚体を計測できた。本手法による画像計測と捕獲計測(コントロール)を並行して実施し、養殖マダイの成長過程をモニタリングしたところ、両計測法ともに遜色ない結果を得たことから、画像計測によって魚体重を推定できることが分かった。本研究成果は学会、学術雑誌にて発表を行った。
また、計測されたマダイの魚体形状(特徴)から体重推定を行うため養殖マダイを101個体サンプリングし、体重推定に適切な魚体の特徴を抽出するための計測を行った。サンプル数が少ないため、次年度も引き続きサンプルと計測を実施する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

3次元点群処理による計測が、空中においては問題なく実施できたが、水中においては空中との屈折率の違いを原因に計測が限定されることが分かった。新たに水中で計測できるように計測パラメータの補正が必要となった。
ただし、DLT法による3次元計測では十分に高い計測確度で現場試験を実施できた。本研究で求めている魚体計測の精度・正確度を満足させたことから、「おおむね順調に進展している」と評価した。

今後の研究の推進方策

平成29年度では、本研究で3次元点群処理に使用している平行ステレオ法が、水中と空中の屈折率の違いから3次元点群処理を実施できない、もしくは限定的な計測になることが判明した。このため平成30年度では、水中での3次元点群処理を実現するため、次年度の課題として水中計測できるように計測パラメータの補正方法を検討することとした。また、養殖生産者や増養殖研究者が求める魚体重の誤差5%の達成には平成29年度に実施したDLT法による3次元計測でも全く問題ないことが分かった。引き続き、両手法を使用して、魚体重誤差5%未満の計測確度を安定して達成できる方法を検討する。魚体重推定手法の構築に必要なマダイのサンプルを引き続き行い、機械学習による体重推定手法の構築を目指す。

また、研究協力者と共同して試験を進め、体重推定手法や3次元計測手法を、学会発表ならびに学術論文へ公表できるように算段する。
なお予算の許す限り、申請時に予定していた他魚種(ブリ類、シマアジやクロマグロ等)への応用についても検討するが、研究の進捗によっては、限定的に実施するか、実施しないこととし、研究の基盤はマダイの計測に主眼を置くことにする。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Body measurement of reared Red sea bream using stereo vision2018

    • 著者名/発表者名
      Kazuyoshi Komeyama, Tatsuya Tanaka, Takeharu Yamaguchi, Shigeru Asaumi, Shinsuke Torisawa, Tsutomu Takagi
    • 雑誌名

      Journal of Robotics and Mechatronics

      巻: 30 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ステレオビジョンによるマサバの3次元遊泳行動計測:パーティクルフィルタを用いた自動計測2018

    • 著者名/発表者名
      坂本 誠, 米山和良, 田丸 修, 鳥澤眞介, 髙木 力
    • 雑誌名

      日本水産学会誌

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Comparison of fish shoals of Japanese mackerel and Chub mackerel: Monitoring behaviour of fish schools using a stereo vision camera2017

    • 著者名/発表者名
      Kazuyoshi Komeyama, Jin Mugita, Osamu Tamaru, Tsutomu Takagi
    • 雑誌名

      Contributions on the Theory of Fishing Gears and Related Marine Systems

      巻: 10 ページ: 261-269

    • 査読あり
  • [学会発表] ステレオカメラによる非接触での養殖マダイの成長過程の追跡2018

    • 著者名/発表者名
      田中達也, 米山和良, 髙木 力, 鳥澤眞介, 森田竜作, 霍川幹史, 山口武治, 浅海 茂
    • 学会等名
      平成30年度日本水産学会春季大会
  • [学会発表] 深層学習を応用した画像処理による半透明魚体の検出2018

    • 著者名/発表者名
      米山和良, 田中達也, 高橋勇樹, 鳥澤眞介, 髙木 力, 田丸 修
    • 学会等名
      平成30年度日本水産学会春季大会
  • [学会発表] Comparison of fish shoals of Japanese mackerel and Chub mackerel: Monitoring behaviour of fish schools using a stereo vision camera2017

    • 著者名/発表者名
      Kazuyoshi Komeyama, Jin Mugita, Osamu Tamaru, Tsutomu Takagi
    • 学会等名
      The 13th International Workshop Methods for the Development and Evaluation of Maritime Technologies
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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