本研究では硬骨魚類の炎症誘導メカニズム解明を目標とし、感染初期の炎症誘導に重要と考えられる補体成分C5aに着目、ゼブラフィッシュC5aの組換え体と抗C5a抗体を作製し、C5aの投与あるいは抗体による機能阻害により硬骨魚類C5aの機能解析を行った。作製した組換えC5aはゼブラフィッシュ腎臓由来白血球に対し誘引活性の他、貪食能亢進活性、ケモカイン発現の誘導がみられ、炎症反応の引き金として重要な因子であることがわかった。また活性化血清による白血球誘引活性は抗C5a抗体により顕著に抑制されたことから、C5aが感染部位へ白血球を動員する際の主要な因子であることが示唆された。
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