最終年度の2022年度は、COVID-19の世界的流行による海外渡航の制限が緩和されたことを受け、2年半ぶりに現地調査を実施することができた。COVID-19のパンデミック以前に行った予備調査の結果を踏まえ、現地で活動するマイクロファイナンス組織の運営実態の調査および、組織加入者へのインタビュー調査を実施した。 タンザニア本土においては、沿岸管理ユニット(BMU)という制度が発足し、漁業者、水産加工業者、造船業者など、様々な漁業・水産業にかかわる人々が資源管理や沿岸域の環境保全などに関する活動を担っている。しかしながら、ザンジバルではBMUは整備されておらず、漁村における生産者組織は発達していない。生産者組織とは性質を異にするが、タンザニア本土同様、近年ザンジバルではマイクロファイナンス組織の普及が著しい。 2019年度調査時に、調査村におけるマイクロファイナンス組織の活動状況及び、人々の利用状況を調査し、予備的な情報収集を行った。海外渡航が困難だった2020年度、2021年度は、2019年度までに収集したデータの分析及び、文献調査等を実施した。それらの内容について国内学会および研究会で発表した。また、2022年度にはこれまでの予備的調査の結果を踏まえ、より詳細な調査を行うことができた。現在、2022年度調査において収集したデータを分析中で、今後いくつかの学会で発表し、学術誌への投稿を計画している。
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