本研究の目的は、日本の海面養殖産業がグローバル化した食品安全システムにどのように対応すべきか、フードチェーンの視点で分析し、国際競争力を発揮できる産業として発展するための方向性を検討することである。①日本の海面養殖産業の品質管理・食品安全システムをフードチェーンの視点でとらえ、②日本の養殖業におけるGAPとHACCPの普及の実態について経営の実態を見ながら把握する。③東アジアの輸出志向型水産業がどのようにフードチェーン・アプローチを導入し、機能させているかを把握する。④海外の事例と国内の事例を比較しながら、日本の海面養殖業が国際競争力を高めるために必要とされる認証制度に対してどのように対応する必要があるか検討する。 今年度は補足調査として②日本の養殖業におけるGAPの普及と実態について、GAPと性格は異なるが水産養殖産地で普及し始めている水産エコラベル認証を対象に、団体認証の代表となる水産流通加工企業の認証取得経緯、認証取得のための生産者支援、販売効果などについて調査を行った。加えて、西日本の養殖産地で県や業界団体等が中心に取組んできたGAPについて、認証制度としての仕組み、基準書の内容、普及状況について共同研究により情報を得た。これまでの研究成果に基づいたレポートを水産養殖の業界誌に執筆し、共著にて論文1本を投稿し、掲載された。年度内に間に合わなかったが、共著にて論文を投稿し、掲載が決まっている。
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